オレオナノサイエンスシンポジウム2008−ナノDDS−

主催:日本油化学会オレオナノサイエンス部会

協賛:日本DDS学会、日本薬学会、日本薬剤学会

会期:2008年11月13日(木)

会場:東京理科大学森戸記念館第1フォーラム(東京都新宿区神楽坂4-2-2)
【交通案内】こちらの地図(東京理科大学神楽坂キャンパス)の左上

電話:03-5225-9211


ナノテクノロジーの進歩によって、投与できる製剤の形態が変化し、新たなDDSが開発されてきた。ナノDDSには大きく分けて2つの流れが存在する。1つは、薬物原末をナノサイズまで細かくすることが可能になったことである。ナノサイズにすることによって、見掛けの溶解速度は非常に大きくなる。溶解速度の増加は、溶解度が低いために開発ラインから外れた多くの薬物分子を再び候補化合物に戻した。また、溶解度が低い薬物を投与するために使用する溶解補助剤を用いる必要がなくなる事は大きな利益をもたらす。もう1つはナノサイズのキャリアに薬物分子を運ばせる方法である。リポソームや高分子ミセルはこのカテゴリーで成果をあげている代表例である。また、ナノキャリアは薬物のみならず、遺伝子デリバリーのためのキャリアとして研究されている。本シンポジウムは、ナノDDSの設計から臨床応用までを網羅的に紹介することを目的とし、第一線で活躍しているナノDDS研究者に講演をお願いした。


プログラム

総合司会 (日油株式会社・杉中昭典、オレオナノサイエンス副部会長・牧野公子)

開会の挨拶 (オレオナノサイエンス部会長・大島広行)
13:05-13:50 ナノDDSとしてのリポソームの粒子設計 (エーザイ株式会社 製剤研究所・菊池 寛)
リポソームはAmBisomeやDOXILに代表されるDDS医薬品として世界の医療に貢献しているが、近年はsiRNA等の核酸医薬の非ウイルス系ベクターとしても注目されている。今回は、粒子設計という観点からリポソームについて概説したい。
13:50-14:35 新規抗原デリバリーシステム(疎水化多糖;CHP)を用いた多価性がんワクチン
(三重大学大学院医学系研究科 がんワクチン治療学 遺伝子免疫細胞治療学・珠玖 洋)
がんワクチンの「抗原デリバリーシステム」として疎水化多糖(Cholesterol Hydrophobized Polysaccharides;CHP)の有用性を検討してきた基礎的検討を経て、CHP−抗原蛋白複合体臨床第T相試験を難治性/再発癌患者を対象として実施した。
14:35-15:05 コーヒーブレイク
15:05-15:50 臨床応用されているがん領域DDSについて (大鵬薬品工業株式会社 製剤研究所・馬場一彦)
臨床応用されている制がん剤のドラッグデリバリーシステム(DDS)について、リポソームやナノパーティクルを用いた製剤を中心に特徴を報告する。また疼痛や白血球減少などを緩和するがんサポーティブケアにおけるDDSについても紹介したい。
15:50-16:35 高分子ミセルの抗がん剤とタンパク質への応用 (ナノキャリア株式会社・加藤泰己)
高分子ミセルはナノメーターサイズの分子集合体である。生体適合性、静脈内投与後の血中持続性および化学的な加工性に優れ、医薬への応用が期待されている。抗がん剤とタンパク質への利用を中心に研究開発の進展を紹介する。
16:35-17:20 がん治療におけるDDS (国立がんセンター 臨床開発センター がん治療開発部・松村保広)
一時の分子標的の流行に一服感が出てきた。一方でDDS製剤臨床開発が加速されつつある。外国においては、doxilやAbraxaneなど次々とDDS製剤が認可されてきている。本邦ではミセル製剤の臨床試験が軌道にのり、臨床的な有用性が期待されている。
閉会の挨拶 (日油株式会社・杉中昭典、オレオナノサイエンス副部会長・牧野公子)
18:00- 懇親会

募集人数:70名(定員になり次第締め切ります)

申込方法:氏名(ふりがな)・所属・連絡先(住所、TEL、FAX、E-mail)、会員種別(普通会員、法人会員、協賛学会員、非会員、学生)、懇親会参加の有無、をご記入のうえ、E-mailで下記宛お申し込み下さい。
【宛先】東京理科大学薬学部 高田陽一  E-mail:yoichit@rs.noda.tus.ac.jp

参加費:日本油化学会普通会員 5,000円  法人会員 5,000円 協賛学協会会員 5,000円  非会員 10,000円  学生 2,000円

懇親会費:5,000円

参加費、懇親会費は事前に下記にご送金ください。
三井住友銀行 柏支店(498)
口座(普通) 7819354
名義 オレオナノサイエンス部会


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