オレオナノサイエンスシンポジウム2009
−ナノ、バイオ、環境技術の基礎としての界面科学と界面動電現象−

主催:日本油化学会 オレオナノサイエンス部会

協賛:化学工学会、高分子学会、色材協会、日本化学会、日本塗装技術協会、日本分析化学会、日本膜学会、日本薬学会、日本レオロジー学会、界面動電現象研究会

会期:2009年11月16日(月)

会場:東京理科大学 森戸記念館 第1フォーラム(東京都新宿区神楽坂4-2-2)
【交通案内】こちらの地図(東京理科大学神楽坂キャンパス)の左上

本年度のオレオナノサイエンスシンポジウムではクラシックな界面科学と界面動電現象と今日著しく進歩しているナノ、バイオ、環境分野との関係をレビューし、2012年に計画されている界面動電現象に関する国際会議(ELKIN2012)をより充実したものにするための予習と準備を兼ねて実施することにいたしました。
今から200年前、帝政ロシアの地質学者ラウスによって発見された界面動電現象はコロイド界面科学とともに発展してきました。言うまでもなくその重要なエポックはDLVO理論に集約されます。土壌中の界面活性剤の挙動や膜のファウリングの理解には界面科学や界面動電現象の知識が役立ちます。最近、化学実験の革新的技術として注目されているマイクロ流体デバイスにおいても、動電現象を利用した制御が重要となります。
本シンポジウムでは、講師の方々に関連する基礎事項と最近の話題をご提供いただき、今後の研究展開の可能性、方向性について理解を深めます。また、本年度はコーヒーブレイクにおいてポスターセッションをおこない、参加者相互の交流をより進めたいと考えています。
皆様の積極的なご参加をお待ちしています。


プログラム

司会進行 足立泰久(筑波大学 生命環境科学研究科)
近藤行成(東京理科大学 工学部)
09:10
開場
09:40-10:40
微粒子分散系の安定性・凝集とレオロジー
産業技術総合研究所 計測標準研究部門 菜嶋健司
ナノ〜マイクロメートルサイズの微粒子分散系は、本来熱力学的に不安定である。即ち、微粒子分散系は凝集という状態変化を起こす。レオロジー的測定法はその観測手段の一つであり、本講では、分散状態の安定性の基礎から凝集のレオロジーについてお話しする。
10:40-11:40
土壌中におけるアニオン性界面活性剤の吸着と移動現象
岡山大学大学院 環境学研究科 石黒宗秀
土壌中におけるアニオン性界面活性剤の吸着と移動現象を測定した。土壌は、腐植に富み、負電荷を持ち正電荷を持たない大山黒ぼく土を用いた。アニオン性界面活性剤は、直鎖状炭素鎖のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)と、分枝状炭素鎖のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(DBS)を用いた。SDSの流出濃度曲線は初期のピークとその後の流出停止を示し、共同吸着と分解反応が認められた。DBSは、一般的な単調増加の流出濃度曲線であった。
12:50-13:50
膜ろ過プロセスにおける界面動電現象とその応用
横浜国立大学大学院 工学研究院 中村一穂
膜ろ過プロセスは、高度な水処理に不可欠な技術として世界的に急速に普及が進んでいるが、様々な物質の膜細孔への吸着、膜面への蓄積などにより分離性能が低下するファウリングが実用上の問題となっている。本講演では、界面動電現象を利用したファウリング現象の解明や対策技術の開発について、我々の行っている研究を中心に最新の研究開発動向を紹介する。
13:50-14:50
電気泳動原理に基づくオンチップ1細胞分析システム
東京大学 工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 赤木貴則
マイクロ流体デバイス技術を応用して作製したマイクロキャピラリー電気泳動チップを中核とするチップ型細胞電気泳動システムを開発し、電気泳動度を指標とする細胞分析技術の細胞生物学および細胞治療への応用可能性について研究している。本講演では、チップ型電気泳動法システムの概要および細胞周期やアポトーシス、分化等の生命現象と電気泳動度との関係について検討した最近の研究成果について紹介する。
14:50-16:00
コーヒーブレイク&ポスター発表
16:00-17:00
荷電膜における界面電気化学とイオンの挙動
東京工業大学大学院 理工学研究科 谷岡明彦、松本英俊
荷電膜系におけるイオンの吸着・拡散挙動を理解するうえで重要な膜電位現象および界面動電現象の基礎と界面電気化学に基づくイオン交換膜、逆浸透膜、薬物徐放膜のキャラクタリゼーションについて解説する。また、新規な荷電膜材料として注目されるナノファイバー、カーボンナノチューブをはじめとするナノマテリアルにおける界面電気化学キャラクタリゼーションの最近の展開についても紹介する。
17:00-17:30
総合討論「界面動電現象研究の新展開」
総括 大島広行(オレオナノサイエンス部会 部会長)
17:40
閉会


申込方法
必要事項をご記入の上、Emailで下記宛お申込ください。
【宛先】東京理科大学 薬学部 高田陽一(yoichit@rs.noda.tus.ac.jp)
参加費
日本油化学会普通会員 10,000円
協賛学会会員 10,000円
法人会員勤務者 12,000円
非会員 15,000円
学生 2,000円
参加費は事前に下記にご送金ください。
三井住友銀行 柏支店(498)
口座(普通) 7819354
名義 オレオナノサイエンス部会

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