オレオナノサイエンスシンポジウム2010
−ナノDDS−
主催:日本油化学会 オレオナノサイエンス部会
協賛:日本DDS学会、日本薬学会、日本薬剤学会
会期:平成22年11月4日(木)
会場:東京都新宿区神楽坂4-2-2 東京理科大学 森戸記念館 第1フォーラム
(こちらの地図をご参照ください)
*申込先が変わりましたのでご注意ください*
ナノテクノロジーの進歩によって、投与できる製剤の形態が変化し、新たなDDSが開発されてきた。ナノDDSには大きく分けて2つの流れが存在する。1つは、薬物原末をナノサイズまで細かくすることが可能になったことである。ナノサイズにすることによって、見掛けの溶解速度は非常に大きくなる。溶解速度の増加は、溶解度が低いために開発ラインから外れた多くの薬物分子を再び候補化合物に戻した。また、溶解度が低い薬物を投与するために使用する溶解補助剤を用いる必要がなくなる事は大きな利益をもたらす。もう1つはナノサイズのキャリアに薬物分子を運ばせる方法である。リポソームや高分子ミセルはこのカテゴリーで成果をあげている代表例である。また、製剤がナノサイズになることによって新しい投与方法が可能になった。
本シンポジウムは、ナノDDSの設計から臨床応用までを網羅的に照会することを目的とし、第一線で活躍しているナノDDS研究者に講演をお願いした。
プログラム
総合司会 | 牧野公子(東京理科大学 薬学部・オレオナノサイエンス部会 副部会長) |
13:00−13:05 |
開会の挨拶 |
13:05−14:05 |
畜肺及び経皮投与を目的としたナノ粒子製剤 東京理科大学 薬学部・DDS研究センター 友田敬士郎 |
医薬品・化粧品開発において、近年はナノDDS製剤の研究開発が行われている。バルク状態からナノサイズにすることで物質の性質は大きく変化するので、従来得られなかった性質が発現する。我々はこのナノ粒子化技術を、肺疾患治療を目的とした畜肺投与製剤、及び全身投与を目的とした経皮投与製剤に適用した。ここではその調製法及びナノ粒子化が両投与経路に対して与える効果について紹介したい。 |
14:10−15:10 |
イオントフォレシスによる経皮ナノDDS 京都薬科大学 小暮健太朗 |
イオントフォレシスは電気の力で荷電性低分子薬物の皮内送達を促進する技術であるが、適応薬物に制限がある。そこで我々は、皮膚毛孔に着目しリポソームとイオントフォレシスを組み合わせた経毛孔送達システムの構築を試み、高分子インスリン封入リポソームのイオントフォレシスにより血糖値を抑制することに成功している。最近では、ナノ粒子化した機能性核酸のイオントフォレシスによる皮内送達も行っており併せて紹介したい。 |
15:10−15:40 |
休憩 |
15:40−16:40 |
特殊なスプレーノズルを用いたナノ粒子の設計とドラッグデリバリー 名古屋市立大学大学院 薬学研究科 尾関哲也 |
新しいDDSの開発においては、ナノ粒子の応用が期待されている。しかしながら、ナノスケールの粒子が分散した状態で存在することは困難である。我々は、ナノサイズの薬物やポリマー粒子を内部に分散したマイクロサイズの粒子を、one-stepで容易に調製できる特殊なスプレーノズルを開発した。このナノテクノロジーの難溶性薬物の経口投与製剤、経粘膜投与製剤への応用について述べたい。 |
16:45−17:45 |
脂質ナノ粒子製剤を用いたがん化学療法DDS 星薬科大学 医薬品化学研究所 創剤構築研究室 米谷芳枝 |
ナノ粒子製剤は薬物の体内分布を変えることによって、薬物の作用を高め有害反応を低下させることができる。特に脂質ナノ粒子は抗原性が低く、表面修飾が比較的容易なため、がん化学療法における機能性薬物担体として期待されている。ここでは抗がん薬を新規な方法で封入した脂質ナノ粒子製剤の調製と抗腫瘍効果の例を紹介したい。 |
閉会の挨拶 |
募集人数 |
70名(定員になり次第締め切ります) |
参加費 |
日本油化学会普通会員 5,000円 法人会員 5,000円 協賛学協会会員 5,000円 非会員 10,000円 学生 2,000円 |
申込方法 |
氏名(ふりがな)、所属、メールアドレス、会員種別(普通会員、法人会員、協賛学会員、非会員、学生)をご記入のうえ、E-mailで下記宛お申し込み下さい。 |
申込先:東京理科大学 薬学部 友田敬士郎(tmodak46@rs.noda.tus.ac.jp) |
参加費はできる限り事前にご送金くださるようお願い申し上げます。 三井住友銀行 柏支店(498) 口座(普通) 7819354 名義 オレオナノサイエンス部会 |