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部会長ごあいさつ
オレオライフサイエンス部会は日本油化学会に設けられた新しい部会で,
2003年4月に発足しましたそれまであった食品健康科学部会,生物科学・
工学部会,酸化部会の3つの部会はそれぞれの使命を果たしてきたのですが,
近年の脂質生化学の進歩にともない各部会のテーマの重複が目立つようになりました.
そこで,統合してより有機的な部会運営をしたいとの決議がなされたのです.
新部会の目標は「油脂を通じた健康づくり」ですが,
(1) 脂質と病気,(2) 脂質とバイオテクノロジー,(3) 脂質栄養,(4) 脂質の酸化と抗酸化
の4つの分科会を設け活動をすすめていきます.
お引き受けいただいた新部会の役員・幹事,各分科会の担当者は以下の通りです.
新部会発足を記念して,「油脂で創る健康」と題して日本国際生命科学協会(ILSIJapan)
との共同シンポジウムを,2003年6月13-14日に昭和大学上條講堂で開催しました.
多数の来場をいただき,私たちが目指す方向が間違っていないことを確信いたしました.
島崎弘幸実行委員長をはじめ関係者のご尽力に心からお礼を申しあげたいと思います.
繰り返しますが,私たちの目標は「油脂を通じた健康づくり」です.ポストゲノムの時代と
なりましたが,限られた遺伝子では説明の出来ない油脂の多様性にこそ新しい健康作りの
ヒントが隠されていると考えています.どうぞ新生オレオライフサイエンス部会にお力添えを
たまわりますようお願い申し上げます.
部会長 山本 順寛(東京工科大学バイオニクス学部)
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1) |
脂質と病気(主務:菊川清見,副主務:北本大) |
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脂質は様々な生命現象に深く関わっているが,生理的活性脂質や脂質のバランスな
どによる生命現象のコントロールや病気との関連について学術交流を行い,健康の向
上に役立てることを目的とする.
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2) |
脂質とバイオテクノロジー(主務:中原東郎,副主務:島田裕司) |
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バイオテクノロジーによる機能的な脂質類および関連する有用物質の生産や応用に
関する分野における学術交流を行い,この分野の科学技術の発展に資することを目的
とする.
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3) |
脂質栄養(主務:佐藤和恵,副主務:鈴木平光) |
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生命活動を維持する上で,脂質がいかに代謝され,どのような機能を発揮するか,
また代謝物質はどのような機能を発揮するか,最新科学に基づき明らかにする.同時
に,脂質複合系のメカニズムを考察する.更に,脂肪酸,必須脂肪酸等の適正摂取量
を提案し,時代に即した脂質性食品,例えば機能性食品の開発をはかり,健康の維持
増進に寄与する.
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4) |
脂質の酸化と抗酸化(主務:原節子,副主務:朝倉浩一) |
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生体脂質の酸化がガンなどの成人病や老化の進行に深く関わるとされている.そこ
で脂質の酸化反応機構を解明し,健康と美を護る抗酸化物質を開発することは高齢化
社会の到来とともにますますその重要性を増している.
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