2007年 油脂産業技術部会セミナー
−BDFの現状と未来−
1.BDFの取組み経緯と今後の課題 (10:00〜11:10)
財団法人政策科学研究所 義村 利秋 氏
わが国のBDFの取組みは平成5年から開始されているが、その原料は廃食用油を利用し、地産
地消的に地方自治体や市民団体等を巻き込んで全国に普及している。原料や製造技術の制約から
ディーゼル車の不具合などの問題を抱えている中で、国は軽油に混合するBDFの規格を定めた
ことで、一層の品質確保へ技術開発の必要性が指摘されている。一方、BDFへのパーム油利用
を生産国が取組んでおり、わが国等への利用に期待が高まっているが、課題も多い。
2.BDF産業革命(世界の動向と今後の日本・アジア連携のシナリオ) (11:10〜12:20)
三菱商事株式会社機械新規事業開発ユニット 澤 一誠 氏
現在世界規模でBDFの産業化が急速に進んでいる状況下、パーム油等有望な資源を有するアジア
諸国が、日本のリーダーシップの下、今後相互に連携を図って「BDFメジャー」の地位を築くと
いうシナリオの提言。
3.国内外におけるBDFの現状と未来 (13:40〜14:50)
筑波大学大学院生命環境科学研究科 松村 正利 氏
欧米をはじめとする海外におけるBDF利用促進のための政策および品質規格を紹介すると共に、
国内の現状とこの利用拡大を図るための課題と方策について述べる。
4.三相乳化法による環境適応型スーパーエマルション燃料の調製とその効用 (14:50〜16:00)
神奈川大学工学部 田嶋 和夫 氏
柔らかいナノ粒子による三相乳化法は油種に関係なく乳化が可能で,石油系油やBDF油もエマル
ション燃料に調製できる。石油系エマルション燃料はその排ガス中のNOxとPMが同時に削減でき
ることなどを概説する。
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