日本油化学会

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界面科学部会 九州地区の紹介

平成27年度物理化学インターカレッジセミナー
兼日本油化学会界面科学部会九州地区講演会報告

 去る平成28 年1 月9、10 日の両日、油化学会界面科学部会の九州地区講演会を兼ねる物理化学インターカレッジセミナーが福岡大学セミナーハウスで開催されました。長崎国際大学、佐賀大学、九州大学、福岡大学、福岡工業大学など九州各地の大学から、講師3 名、教員を含む一般16 名、学生40 名、合計59 名が参加しました。2 日間にわたる発表では、特別講演3 件、大学院生・学部生による口頭発表7 件とポスター発表14 件が行われました。
 1 日目は、佐賀大学中島謙一先生より、「高分子ミセルと高分子ラテックス-その基礎と応用」という題目でご講演いただきました。中島先生は今年度末で佐賀大学を定年にて御退職予定です。これまでの先生の御研究活動についてお話いただきました。海外での留学先でのエピソードを交えながらの講義は、参加者にとっても刺激される内容で興味深いものとなりました。九州大学先導物質化学研究所教授の玉田薫先生には、「金属ナノ粒子の多次元組織化とプラズモン特性」と題してご講演をして頂きました。銀ナノ微粒子のプラズモン特性について、基礎から応用まで詳しく解説していただき、さらに最新の研究トピックを紹介していただきました。


特別講義1 佐賀大学 中島 謙一 先生

特別講義2 九州大学 玉田 薫 先生

 

 2 日目は、福岡工業大学助教の下川倫子先生による「自然が作る形の科学」という題目の講演でした。ミセルコロイドや水―油界面など、日々我々が研究対象としている物質および現象はまさに自然が作り出したものがほとんどであり、物理分野を中心にご活躍される下川先生のお話は多いに今後の研究の参考になりました。
 学生および大学院生による口頭・ポスター発表では、界面科学を中心とした多方面の分野で学ぶ学生らが互いに議論を交わし、有意義な時間を過ごすことができました。また、今年度より新しい取組として、優秀口頭発表賞、優秀ポスター発表賞を設けました。学生・大学院生による研究活動のさらなる活性化を目的として、OB の先生方を中心に一般参加教員らによる公平公正な審査を行い、受賞者の選定を行いました。平成27 年度の受賞者は次のとおりです。

表 平成27 年度 学生表彰者一覧
優秀口頭
発表賞
PNiPAm 水溶液の相分離におけるヒステリシス
~分子量分布とモノマーの検討~
福岡大院理 濵村 健人 M1
GALA ペプチドのフラグメントとベシクルとの相互作用 福工大院工 丸目 哲也 M2
優秀ポス
ター賞
Decalin の立体異性体と純液体物性の関連 福岡大理 池本 澪加 B4
ウミブドウに含まれる植物色素の分析 福工大工 遠藤 咲良 B4

特別講義3 福岡工業大学 下川 倫子 先生

写真左から界面科学部会副部会長 柴田先生(長
崎国際大),受賞者 池本さん(福岡大),濱村
さん(福岡大),丸目さん(福岡工業大)

 

平成27 年度 参加者集合写真

 今後も、界面科学部会九州地区をさらに活性化させるため、研究者間交流や研究成果の発表の場として大いに本セミナーを活用していきたいと思っております。
 なお、今年度のセミナーは福岡工業大学の桑原の世話役で開催させて頂きました。平成28 年度は佐賀大学の成田貴行先生のお世話で開催される予定です。
(報告:福岡工業大学 桑原 順子)

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